3枚目は1枚目の写真と同じ場所で撮っているので、環境光や照明は全く同じ。
柔らかい雰囲気の写真だ。
変えてもらっているのは手前の髪を向こうにまわして首が見えるようにし、目線を外しているくらい。体の向きはそのままで顔の向きは変えているが、一番の変化は撮影者の私の位置が右側に移動していること。これにより窓からの光をメインにし、照明をサブにした画に変わっているのだ。つまりメインとサブの光の利用の仕方は1枚目の写真と反対ということ。こうして逆光を利用した写真なのもあって、ややハイキーな明るめの写真ではある。それにこの位置かだとは背中のラインやバストラインも映える。
カメラの高さは1枚目より高くアイレベルより少しだけ上。こうすることで手前にある肩の印象がぐっと変わる。こうした肩の使い方やカメラの高さの違いは先月開催したポートレート撮影講習会でもお話ししたが、こうして写真になってみるとより判りやすいでしょう。
今回室内で肌を丁寧に撮りたいと思っていたので、冬だけどこうした肩を露出できる服をリクエストしていたし、いろいろと探してもらった甲斐があったと思っている。
ひとまず撮り分けた事例として3枚を載せてみたが、1回の撮影でもこうした違いは出せるもの。それにはどういった写真にしたいかというイメージを持つことが大事。そしてそれを表現するにはどうすれば良いかを知っておくことだ。要は演出家でなければならない。
あるものを撮るというのはカメラの役割。どう撮るかが撮影者の役割。だから写真は著作物なんですよね。